ぶどう本来の特性を生かしたワイン造り
私たちがワイン醸造で大切にしていること、それは「ぶどうの持つ特徴をそのまま瓶に詰め込む」ことです。例えば甲州では、りんごのような果実香の中風味、ベーリーAではベーリー系果実の甘い香りなど、ぶどう本来の特性を生かしたワイン造りを目指しています。
Mariage
日本産ぶどう100%だから
日本の料理と響き合う
私たちがワイン醸造で大切にしていること、それは「ぶどうの持つ特徴をそのまま瓶に詰め込む」ことです。例えば甲州では、りんごのような果実香の中風味、ベーリーAではベーリー系果実の甘い香りなど、ぶどう本来の特性を生かしたワイン造りを目指しています。
私たちはあえて個性の強すぎないワイン造りを目指しています。古来よりワインと料理は共に楽しまれてきました。個性の強いワインでは料理の邪魔をしてしまい、味わいを壊してしまいます。あくまで主役は料理で、ワインは主役を引き立てるものです。素材の味を壊さず、料理を引き立てられるワインをこれからも研究していきます。
茶料理の神髄ともいえる技法は「素材の真味以上に美味しくしない」ことであると伝承されています。旬の食材に向き合い、必要以上に手を掛けず、技術にかたよらないことで「四季の真味」をお客様にお伝えすることが懐石の心であると信じています。食材が本来もつ旨みをもって足りるとし、それを最大限に引き出すことが、坐忘の提供する茶懐石の心です。
「守破離」とは茶道の創始者千利休の言葉ともされている、道を究めるための心構えをしめしたもの。習い覚えた型に忠実な「守」、他の流派を学び審議を詰める「破」、そして独自の道をたどる「離」という三つの段階を通じて修行は深められるとされます。原点を尊重するだけでなく、時代の先端を取り入れて日々新たに活かしていく。国産ワイン醸造黎明期からの歴史を受け継ぎながら、変革をためらわないまるき葡萄酒には、共通の思いが宿っていると感じます。
日本料理と日本酒の考え方の一つに「料理の邪魔をしない」という考えがあります。酒は水のように癖がなく、料理の臭み、油っぽさ、後味を洗い流してくれる酒が良いという考えです。まるき葡萄酒のワインは料理それぞれの味わいとなじみやすく、食材のもつ旨み・甘味をひき立てることに長けています。さらに日本料理の源である、鰹節と昆布から生まれた「お出汁」と響きあうことで、ワインとのマリアージュが完成すると考えています。懐石料理とまるきのワインだからこそ“真”の部分では強くつながりそれぞれが“行”を確立することで“草”を生み出す。これが理想です。
ベーリーA特有の甘い香りと醤油たれの甘み、そして樽の香りと焦げの香りとがよく合います。
ワインも発酵食品ですので発酵食材と合わないはずがありません。チーズにワインが合うのは有名ですが、特にお勧めしたいのが長熟甲州と味噌の組み合わせです。長熟甲州の甘みと味噌の甘みの同調は一度お試しください。
伝統を守りつつも、新しいものを生み出す仕事は容易ではありません。俳諧理念、哲学の一つで「不易」は永遠に変わらない伝統や芸術の精神。「流行」は新しみを求めて時代と共に変化するもの。相反するようにみえる「不易」と「流行」も風雅に根ざす根源は実は同じ考えです。残し伝えるべきものはきちんと残し、変えるべきものは勇気をもって変える。本質を見極め、それを知るがゆえに出来る上質な料理とサービスを目指しています。
日本の食材と特に相性の良いワインとして、日本固有のぶどう「甲州種」の白ワインと「マスカット・ベーリーA」の赤ワインがあげられます。現存する日本最古のワイナリー まるき葡萄酒は、こうした伝統的なぶどう品種を使用し、料理の引き立て役に徹するキメ細やかで繊細なワインを製造しています。素材に敬意を払い、すべてに感謝をする。お客様に「本質的な豊かさ」を届けたいという想いは、まるき葡萄酒とプレスキル共通の願いでもあります。
マリアージュと一言で言っても人それぞれで、ソムリエによるマリアージュとお客様の嗜好に合わせたマリアージュで変わってきます。私の思うマリアージュとは「ワインの個性を活かすこと」です。すなわちワインが持つ特徴に料理とソースを合わせること。酸味が特徴のワインには酸味のある料理、甘味があるワインには甘みを感じる料理など。ワインと料理、ソースそれぞれが各々の個性を活かし、お互いの味を感じられるマリアージュの理想を追求します。
鹿肉の鉄分と火の入ったビーツの甘み、そして
ほのかに香る土の香りが野性味溢れるヤマ・ソービニオンによく合います。
パイの香ばしさとそれに包まれてしっとりと火が通った舌平目、そしてアンチョビ風味のバターソースがワインのフルーティーな酸味とよく合います。